ふじたのぶおの駅前コラム ウェブ版
防長新聞(水曜日)へ連載している「ふじたのぶおの駅前コラム」を掲載しています。




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2004/3/3

街の子どもたち

 各地の商店街が衰退した理由には、ほとんど必ず後継者不足が挙げられる。どこの地方都市でも商店街は、高度成長の波に乗って急速に栄えたせいか、年代層の空洞化が見られるようだ。

 駅前っ子と呼ばれた、栄えていた当時の商店主の子どもたちは、かつて公園を根城に、繁華街の小さな空き地や路地で日暮れを過ごして遊んでいた。

 しかしそんな児童公園の姿も、時代に合わせてすっかり変わり果てた。砂場やブランコなど子供向けの遊具が少なくなって、一方では遊歩道とベンチが設置され、今はシンプルで都会的な眺めがそこにある。

 振り返ってみれば、テレビゲームが台頭した時代と、児童公園に子供の姿が見えなくなったころが一致する。駅前一円に住まう世帯の少子化もまた時を同じくした。

 ところで先日の新聞に、コンピュータエンターテイメント協会の調査結果が報じられた。「自宅でテレビゲームをしている」と答えた小学生の割合は、三年前の調査を明らかに下回り、テレビゲーム離れが起きているという。

 そんな新聞記事を見てまゆつばに思っていたころ、駅前でボール投げやなわとびで遊ぶ子どもたちを目にした。

 営利目的に大人が考えて作りだしたテレビゲームだったが、なるほど、子どもたちは大人が思うより、ずっとしたたかに成長しているのだ。商店街の細い路地をかけ回る彼らのやんちゃ振りに、街の未来を見せてもらった。

 がんばれ、駅前っ子たちよ。


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