先頃、県下全域に「交通死亡事故多発全県警報」が発令されたという。市街地における車の往来は、弱者にとって脅威であるけれど、やはり生活の足として無くては困る便利な道具だ。ルールやマナーが乱されたとき、不幸な交通事故は起きてしまうのである。
ときに、駅前のほとんどともいえる麻里布地区は、全域が駐車禁止区域に指定されている。YMCA裏の麻里布臨時駐車場をはじめ、だから駅前には数多くの駐車場があるが、それでも違法駐車は一向に跡を絶たない。歩行者専用道路と車道が交わる界隈は、とりわけ危険な地点となることは、想像に易いだろう。
そういって街から車を締め出すと、しかし現代の車社会にあっては、やたらと不便な区域となり、活性化は難しい。
たとえば新規開業する店主によると、歩行者天国に面した場所では、車のワンストップができないので、まるで魅力がないと評する。
一方では、お年寄りや子供たちの事を思うと、安全な区域は確保すべきとして、物議は完全に二分されるのである。たとえば商店街の歩行者天国をやめてはどうか、という論議は、ついぞ結論をみることがない。
全域が駐車禁止と分かっていても、商店街の空き店舗が埋まらない背景に、車の利便性に関する理由は少なからずある。駅前活性化のために、さらに駐車場を増やせ、とする意見も聞こえてくるが、どこの施設もすべて満車という日は、実のところ滅多に見かけない。
浮き彫りになるのは、車を駐車場へ置いてでも訪れるたくなる街、立ち寄りたくなる店を創ること。やっぱりこっちが先決なのだねえ。
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